騙されてあげる~鬼上司に秘密の恋心~
「村田ちゃんって、嘘吐けないのね」
わたしが少し落ち込んだように言うと、彼女は慌てたように言った。
「あっ!ち、違うんです!私はそんな風に思ったなんてないんですー!」
「ふーん、そっか、そっか。村田ちゃんはそんなことを思ってたんだね」
「だから違うんですってばぁ!麻菜さぁーん!」
今にも泣きそうになる村田ちゃん。
皆から愛される理由が分かる気がする。
「ふふっ、冗談よ」
「えぇー!?麻菜さん、からかってたんですかー?もう!ひどいです!」
「村田ちゃんってほんと、かわいい」
よく先輩たちからいじられている村田ちゃんなんだけど、
いじりたく気持ちが今分かった気がする。
「麻菜ちゃんったら何遊んでるのよ。村田ちゃんで」
ここで、わたしたちの話を聞いていたらしい幸さんの登場だ。