騙されてあげる~鬼上司に秘密の恋心~
わたしの後ろを見つめたまま、村田ちゃんは怯え始めるし、
幸さんは何故か、しまったというような表情を見せた。
「え?う、後ろに何かあるん……」
「仕事サボって雑談とは、いい度胸だな」
背筋がゾッとするような冷たく低い声に、わたしだけでなく他の二人も体を震わせた。
「さっさと仕事に戻れ!」
バコッという音とともに、頭に衝撃が走った。
「いたっ!」
手に持っていた冊子をくるくると丸めたもので、わたしの頭を手加減なしに叩いたのは秀ちゃんだ。
「秀ちゃん……なんで、わたしだけ」
彼に叩かれた頭を擦っていると、幸さんが何かを閃いたようだ。
「なるほどー!秀平ったら、ヤキモチかぁ、そっか、そっか」
「え?ヤキモチ?」
「きっとそうよ。秀平ね、麻菜ちゃんがジョンの話ばっかりするから、ヤキモチやいたのよ」