騙されてあげる~鬼上司に秘密の恋心~
「だからね、秀平と麻菜ちゃんが高校時代“癒し系カップル”って呼ばれてたってことを聞いたのよ」
「あっ、なんだ。そのことか」
「癒し系カップル?」
飲み会の席で初めて村田ちゃんの声が聞こえてきた。
彼女は幸さんが言った「癒し系カップル」にかなり反応している。
「そうなのよー、村田ちゃん!この二人ね、高校時代も付き合ってたらしいんだけど、その時についたあだ名が“癒し系カップル”なんだって」
「確かに、今の笑い合ってる姿見たら、そう呼ばれてたの分かる気がします!」
「でしょー?見てると、こっちがほのぼのした気持ちになるから不思議よねぇ」
幸さんと村田ちゃんの会話。
それが、高校時代の記憶を再び蘇らせた。
“癒し系カップル”
まさか大人になっても、そう呼ばれるなんて思ってもみなかったけど……
こう呼ばれるのは嫌いじゃない。
「仲森さんって、麻菜さんの前ではデレデレしてますよね」
「そうよー、村田ちゃん、知らなかったの?麻菜ちゃんの前の秀平ったら、もうデレッデレで困っちゃうのよー」