騙されてあげる~鬼上司に秘密の恋心~
「溝口せんぱーい!また私に挨拶なしですかー?」
腰に手を当て、起こっている表情を浮かべる春菜。
「おー、悪い悪い。お前もいたんだなー。気付かなかったよー」
「気付かなかったって。ずっと一緒にいたじゃないですか!もう!」
「ははっ!宮城もじゃあなー」
「宮城もって何ですか!“も”って!私、おまけみたいじゃないですかー!」
まるで漫才を見ているかのような二人の息の合いよう。
クスクスと笑っていると、わたしまで春菜に睨まれてしまった。
「何よ、麻菜」
「ふふっ、最後まで春菜と先輩には楽しませてもらえるなぁって思って」
「別に私たちは笑わせようとやってるわけじゃないんだからね」
いつもはお姉さんキャラの春菜だけれど。
こうして拗ねている表情を見ると、可愛いなって思う。