騙されてあげる~鬼上司に秘密の恋心~



秀ちゃんならそういうと思った。

自分の夢を我慢してまで、他人のことを考えてくれるんだ。



「秀ちゃん、わたしとの約束を気にしてるんでしょう?」

「……麻菜と約束したばかりだろ。ずっと一緒にいるって」


やっぱりそうだった。

秀ちゃんはわたしとの約束が気がかりで、返事を渋っていたんだ。




「ねぇ、秀ちゃん。秀ちゃんはずっと待っててくれたんだよね?」


溝口先輩も春菜も言ってた。

秀ちゃんはずっとわたしを探していてくれたって。



「わたしのこと7年も待っていてくれたんでしょ?」


だから、今度はわたしが……





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