騙されてあげる~鬼上司に秘密の恋心~



「今度はわたしが秀ちゃんを待っているよ。ずっと待ってるから。だから……」


今度はわたしの番なんだよ。

秀ちゃんが待っていたように、今度はわたしが。



「だから、いつかきっと帰って来て」

「麻菜……」


握っていた手をさらに強く握りしめた後。

今度はわたしを力いっぱい抱きしめた。



「麻菜、ごめん。麻菜にこんなこと言わせて」

「秀ちゃん、頑張ってきてね」





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