騙されてあげる~鬼上司に秘密の恋心~
4.優しくしないで
ガタッという音と共に、偶然傍にいた幸さんがこちらを振り向く。
もうすぐ開店という時で、わたしたちはちょうど開店準備に取り掛かっていた。
今朝は大丈夫だと思ってたのに、どうしてだろう……体がフワフワ浮いてるみたいな。
「加藤さん!?大丈夫!?」
「あっ……はい。少しよろけただけなので」
「本当?随分顔色が悪いけど……」
「あっ、大丈夫で……」
―――クラッ……
あっ、まずい……。また目眩が……
世界がグルリと回って、再び壁に手を付きそのまま壁に寄りかかった。
気持ちが悪くて、視界もぼやけてくるし、何より体が熱くて……
「大丈夫そうじゃないわよ?ここはいいから、医務室に行ってきたら?」
「あっ、いえ。大丈……夫……」
そこでわたしの意識は途絶えた。