騙されてあげる~鬼上司に秘密の恋心~



「麻菜……」



次の瞬間、掴まれていた腕をクイッと引かれ、すっぽりと彼の胸に収まっていた。



えっ!?ど、どうして……!?




「ちょっ……仲森さん……っ!」

「麻菜……俺……」

「仲森さん、は、なして……」



腕の中でジタバタともがくわたしを力いっぱい抱きしめ、わたしの右肩に顎を乗せた。


電流が走ったみたいに、体中が痺れて、苦しくて息が出来ない。




「ずっと麻菜のこと、探してた……」



お願いだから、わたしの心をかき回さないで……

わたしの決心が揺らいじゃうから……




「麻菜に会いたくて……ずっと」



息が出来ないくらい心臓がドキドキ激しく波打っている。


どうしよう……彼に聞こえてしまいそうなくらいに。



この気持ちは決して悟られてはいけないのに……

抱きしめられて、こんな言葉をかけられたらわたし……






「麻菜、会いたかった……」






< 58 / 519 >

この作品をシェア

pagetop