騙されてあげる~鬼上司に秘密の恋心~
「もちろんこの店にあるものすべて取り換えろとは言いません」
ジョンはちらっとわたしたちを見回した。
「アメリカでよく売れているものだけではなく、それ以外の商品、つまり僕たちが選んだものを取り入れてはどうでしょう」
向こう、アメリカでは人気の商品トップ10の中から、よく日本に送ってくるのだ。
そうではなく、わたしたちが選んだ商品を当店に並べるというのが、ジョンの意見。
確かにこの店にいる人の方が、日本をそして日本人をよく知っている。
向こうの人ではなく、こっちが選んだ方がよりいいのかも知れない。
そう感じた。
「それは私も考え付かなかったアイディアだ。そうしてもらえるように、上に掛け合ってみるよ」
「はい、お願いします。僕も本店の方に頼んでみますので」
向こうで大きな信頼を置かれているジョンが申し出れば、拒否されないと思う。
きっとこの案は通りそうだな。