「…そうなんですか…」




そう聞いていると、

死神も そんなに怖くないような気がして、

和は しげしげ と、香澄を眺めてみた。


和の視線を感じた香澄は、困ったように、笑った。






「…見た目は、普通の人間と変わらないんだよ」






貴史の見た目に限っては、

″普通の人間らしさ″みたいな物が欠けていて、

″死神″と言われた方が しっくり来る程 作り物めいていたが、

香澄は本当に″死神″などと言われたら とても信じられないような、

人間らしい顔を していた。






「…確かに」




和が納得したように頷くと、香澄は また笑った。






「平凡な顔でしょ?笑




ちょっと話がズレちゃったけど、

普通の死神は、そんな感じ。


…だけど俺らは……、

″特殊″だったの。


さっきも言ったけど…

魂が分裂して、″二人″に なった。


元々の体に残ったのが俺で…、

貴史は全く別の″器″に入ったから…、

何か あいつ、変でしょ?笑」




そう言って、香澄は和を見た。





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