花

「…このまま…、

あんたと一緒に居られたら、いいのにな…」




暫くして、

穏やかな その空気に溶け込んでしまいそうなトーンで、あなたが言った。






「…うん………え！！？」




意外すぎる その言葉に、私は思わず大声を出した。






「はは、そんな驚く？笑」




あなたは また、楽しそうに笑った。






「そりゃ驚くよ！


何て言うか…、宗谷くんの台詞とは思えないよ」




「…酷っ 笑」




そう言って あなたは また笑ったけれど、

暫くすると今度は真面目な顔をして、呟いた。






「…でもさぁ、

ほんとに″あんた″と ずっと このまま一緒に居られたら、

俺は幸せ なんだと思う…」




「……」




普通だったら嬉しい筈の言葉なのに、

素直に喜べない…。


それは何だか、上手く言えないけれど…

本当に一緒に居たい人の側には居られない 、という哀しみを含んでいるよう だった。






「宗谷くん…」




「…ん？」






「……私、宗谷くんと一緒に居たい。


物理的な意味じゃなくて…

心が、1番 近くに居たい」






最初から私の事なんて眼中にない って、分かっていた けれど…

あなたが違う人の側に居たいって思っている と 考えると悲しくて…

私は思わず、そう言っていた。




あなたは喜びとも哀しみとも つかない表情で、私を見た。