「具合でも悪いのかな?」




「…ばか!


さっき女と どっか行ったって言ってたじゃん。


絶対まだ そいつと一緒に居るんだよ」






「……ねぇ それって、

B組の″藤崎 凛″でしょ?


あいつ、貴史くん狙ってたっぽいから、

危ない気すんだけど」




「………マジか」




ファンクラブの女の子達が囁き始めて、和は耳を塞ぎたくなった。


さっきまで貴史の顔を見たくない と 思っていたのに、

今度は、″まだ戻って来ていない″という事実が、怖い。




その授業中、とうとう貴史は戻って来なかった。





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