花
「…私は、自分で言いたい事が、
いつも上手く言えないの…。
自分が何か言う事で、
今までの世界が壊れる事が、怖いんだと思う」
和は、貴史に対する自分の気持ちを、そんな言葉に置き換えて言った。
貴史は、何も言わず、ただ黙って和の話を聞いていた。
「だから、つい自分の気持ちをセーブしちゃって…。
自分で踏み込まないように、ストッパーを掛けちゃうの。
…だから、
自分が そんな だから、
自分の気持ちに正直な宗谷くんが、輝いて見えるんだ」
そう言うと、和は一旦 言葉を切った。
すると、それまで黙って聞いていた貴史が、急に笑い出した。
「…ぷっ 笑
″輝いてる″って…
ウケるんですけど 笑」
和から すれば、
確かに いつも人に囲まれている貴史は輝いていて、
雲の上の人のような気が していたから、
貴史が なぜ そこで笑うのか、和には分からなかった。
そんな和を見て、
貴史は笑いながら″悪ぃ、悪ぃ″と言うと、
何かを考えるような表情で、ゆっくり と 言った。
「…確かに、視えてる景色って いうか…
″角度″は、人それぞれ違うかも しんないけどさ、
生きてる世界は、
あんたが生きてる世界も俺が生きてる世界も、
同じ世界だから」
「……」