白いジャージ9 ~最終章~
「矢沢さんが奥さんで良かった。他の人だったら、嫌だったな」
「本当に?そんな風に思ってくれるなんて」
「教師してる先生を知らない人とは結婚して欲しくない。先生は最高の先生だから」
その気持ちが痛いくらいにわかった。
だからこそ嬉しかった。
体育祭に来て良かった。
心の中でモヤモヤしていた問題が解決した。
先生の元彼女のこと、荒木さんのこと。
「私も幸せになるから。矢沢さんも頑張って」
「うん!!荒木さんありがとう!」
こんな気持ちで笑い合えるなんて。
夢みたい。
空には、いわし雲が浮かんでいた。
体育祭にぴったりの爽やかな空だった。
閉会の挨拶が終わるまで学校にいた。
少しでも長くこの場所にいたかった。
先生の働く場所。
私と先生の出会いの場所。
私の大切な場所だから・・・・・・