シュガー&スパイス
ギュッとつぶっていた目をそっと開けて見上げると、すぐそばに千秋の顔。
転びそうになったあたしを片腕で軽々とキャッチした千秋は、ホッとため息をついた。
……あ……。
「……ご、ごめ……」
ジワリ。
ほんの少し。体温が上がった気がした。
動揺してるのがバレないように、唇に張り付いた髪を耳にかけながら、ハハハと笑う。
あーもう、何がしたいんだろ。
から回ってるじゃん。
これ以上かっこ悪くなってどーするのよ。
「あたしドジで……」
「ほんっと。 どっちが年上かわかんねーな」
「え?」
「……え?」
年上?