ブラックコーヒー

「ここ？」


「おう。
前、正美らと来て…。
由奈は確か用事で来てなかったな。」


仁のとこ行ってたんだろうな。

時間があれば、いつも仁のとこ行ってたし。


「由奈、携帯鳴ってる。」


「え、あ、本当だ。
先、入ってて。」


「分かった。
早くしろよ。」


「うん。」


電話…仁からだ。

良かった。

コンビニで充電するの買って。


「もしもし？」


「由奈…。
今、何しとう？」


「え？
友達と遊んでるけど。
仁はまだ大阪？」


「ん…。」


「仁？」


「今からうまいお好み焼き食うから。
…じゃあな。」


…切れちゃった。

もう少しぐらい喋ってたかった…、とか言ってられないよね。

誠司待たしてるのに。

それに、短くてもまた電話してくれるかもしれないし。

でも、仁の声元気なかった気がした。

どうかしたのかな？


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