歩み



俺はまた吹き出した怒りを抑えて、明日香の隣から姿を消した。
走って学校から出ていく。
この濁って汚い空の下を、息を切らさずに自由を求めて走っていく。


どうしてこんなにも難しいのだろう。
今まで手に入れてきたやり方が簡単過ぎたのかな。


カバンを抱えて、足を動かす。
家に着いたころ、さすがに息は持たずに、少しだけ息切れしていた。


「歩さん、おかえりなさい」


家政婦が俺の姿を見て、挨拶をする。
いちいち反応なんてしていられるかよ。


俺は靴を履き替え、スリッパを履かずに部屋へと目指す。
あと少しで部屋だというのに、ある人に呼び止められた。



「歩さん!今日成績発表日でしたよね?どうでしたか?」



富田の笑顔が今の俺にとって非常に不愉快だ。
話しかけて欲しくなかったが、しょうがなく俺はカバンの中から成績表を取り出した。



「なぁ、富田…」



富田に成績表を渡して、心に秘めていたことを口に出す。



「何ですか?」




「今度のテストで1位を取ったら…」









神様、あなたが本当にいたとしたら、この願いを叶えてくれますか?











「俺を殺してよ…」








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