歩み
でも俺は幸せだと思うよ。
沙紀が見えていない場所で沙紀を守って、沙紀が幸せに過ごせるなら幸せすぎる。
そういうやり方でもいいですか?
彼女たちは俺の姿を見た瞬間、言葉を詰まらせた。
そして申し訳なさそうな表情を見せる。
「二度と沙紀のこと悪く言うんじゃねぇ!!」
響き渡る怒鳴り声。
いつも俺はクールを装おっていたから、こんな姿は彼女たちは想像していなかっただろう。
身を一歩退いている。
それでいいんだよ。
俺を美化するなよ。
俺は彼女たちを睨み付けて、教室へ再び進路を変えた。
教室に着いて、慌てて沙紀の姿を見つけようとするが、教室に沙紀の姿はなかった。
なぜ?どうして?
また嫌な予感がした。
「歩じゃん!お前遅いって!」
すると誰かが肩を叩いた。
その声からすると隼人のようだ。
俺は咄嗟に後ろを振り返る。
「隼人!!さ、沙紀は!?」
隼人に沙紀の居場所を聞き出そうとする俺。
その瞬間、隼人から笑顔は消えて、同情するような表情を見せてきた。
「歩、水島って最低だな。俺すげぇ幻滅した。」
「は…?」
意味が、分からない。
頭が真っ白になっていく。
「水島、上條先輩と歩を二股してたらしいじゃん」