歩み


隼人、お前頭大丈夫かよ?
彼女の言ったことを簡単に信じていいのか?
どれだけ彼女のことが大好きなんだよ。

そりゃ、彼女のことを誰よりも信じたいのは分かるけど、本当かどうか分からない内容をそんな簡単に信じていいのかよ。
いいわけないだろ。
そんなの、ご主人様の言うことしか聞かない犬と一緒じゃないか。


隼人ってそんな人間だったっけ?
もっとちゃんと意思を持った人間だと思っていたよ。
なんか、裏切られた気分。



「何でお前は簡単に信じるわけ?嘘かもしれねぇのに、どうして信じるんだよ!?」



教室に響く、俺の怒鳴り声。
それが響いた瞬間、教室にいた生徒たちが俺たちの方へ視線を移す。
一気に集まる視線。
まるで芸能人になった気分だ。


そして、隼人を睨み付けると、隼人はごくんと生唾を飲んで、俺の怒鳴り声を体全体で受け止めていた。




「な、なんだよ、歩…」



「お前は沙紀のこと何も知らないだろ?知らないくせして勝手なこと言ってんなよ」



< 121 / 468 >

この作品をシェア

pagetop