歩み
何故優に言わないの?
ああ、そっか。
優には言えないことをしているんだね。
「なぁ、小林?」
視線を足元に落として、小林に訊ねてみる。
「ん?なに?」
小林の顔を見ることは出来なかった。
もしかしたら、小林を殴ってしまいそうで。
「…優のこと好きか…?」
なぜこんな質問をしてしまったのだろうと後で後悔をした。
聞かなくても良かった。俺は信じていたから。
優と小林は相思相愛だと。
小林はしばらく沈黙をする。
早く言ってよ、早く。
俺の不安を解いてよ。
「…私は…優くんのこと…」
ごくんと生唾をのむ俺。何を緊張しているのか。他人から見たら笑われてしまうな、きっと。
「…好きすぎる」
夕日が完全に沈んだ時、俺は小林の真っ直ぐとした気持ちを見たんだ。
これは本当だと思っていた。
俺は信じていた。
何故壊れてしまったのだろう…。