歩み


そんな時、小林が笑顔を見せながら教室に戻ってきた。
その笑顔はさっきまで先輩といたから?


見たくないよ、そんな笑顔。


「優くん?たこやきどうだった?」



小林は優にこう聞いて、返事を待つ。


ちょっと待てよ。
なんだよ、それ。


まずどこに行ってたか言えよ。
優はずっとお前を探してたんだぞ?
それなのに、何で?


持っていた箒をぎゅっと握り、二人をじっと見つめる。



「めっちゃ流行った!」



「すごいじゃん」




…優も何か言えよ。
お前は小林の彼氏だろ?彼氏だったら彼女が今までどこにいたのかくらい聞いても変ではない。


優は聞きたくないの?
知りたくないの?



どうしてだよ…優。



掃除が全て終わり、生徒たちは帰っていく。
もう夕日が沈みそうになっていた。


その時、沙紀が優を呼び出した。
廊下へと出ていく二人。


教室には小林と俺だけ。

小林の半袖の制服から覗かせる、青いアザ。
このアザは最近のものだろう、きっと。


これも滝川先輩にやられたの?



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