歩み


何言ってるんだろ、俺。
自分で言っといて照れている自分が情けない。
でもいいや。
沙紀も照れているようだから。

ほら、顔が林檎のように真っ赤だよ。



「沙紀?顔赤いよ?どうかしたの?」



沙紀をもてあそぶかのような発言ばかりを繰り返す。


「ばっかじゃないの!?もういいわよ。じゃあね」



怒りが頂点に達したのか、俺に呆れたのか、分からないが、沙紀は俺に背中を向けて去っていく。



言わせて欲しい。



「沙紀!!ありがとな!」



背中に向かって言葉を投げる俺。
どうか、返してください。
スルーしないで。


そう願っていたとき、沙紀はくるっと俺の方に体を向けて、白い歯を見せて笑ってくれた。



その笑顔は、俺が一番見たかった笑顔だった。



「…反則だよ、ばーか…」



そんな可愛い笑顔見せないでよ。
また君に溺れてしまう。


息ができないくらい、
苦しくなってしまう。


それを狙っているの?



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