夫婦の始まりは一夜の過ちから。
『だからね、駄目元でいいから久とのお見合い考えてくれない?』
「……」
『お見合いって思わなくても軽い食事だと思って、ね?昔みたいに家族ぐるみで』
頭を横にぷるぷると振る。
私は久とお見合い所か久に冷静な気持ちで会える自信は正直ゼロ。
そんな相手とお見合いなんて出来るはずがないんだって…
「ごめんなさい」
『なっちゃん…。これには、久がお見合いをするのは深いわけがあるの』
そんなの知ったこっちゃない。
久のお母さんに冷たい人間だって思われたって全然構わない。
それでこの電話を切れるなら私はなんだって出来ると思う。
『お願い。それだけでも聞いて?それ聞いたらなっちゃんの意見もちょーっとは変わるかもしれないから』