夫婦の始まりは一夜の過ちから。
しっかし鴨島さんが泣き上戸だと知った時は本当にビックリしたよ。
ビックリするくらいわんわん泣くんだもん。
「安いなら私も買おうかな」
「夏芽さんも寒がり?」
「どちらかと言えば。それにうちの社員の男達って暑がりが多いから冬場のエアコンがね」
私がそう言えば、はぁとため息吐きだし缶コーヒーをテーブルに置いたことみは口を開いた。
「そうそう。暑がりがばっかだから暖房強く入れてくれないし。でもまあ、鴨島さんが上目使いで付けて?って言ったら付けてくれるよ」
確かにモテモテだよね。
鴨島さんはうちの会社社員からも取引先の相手からも。
「もう〜、なんでそんなに肌が真っ白なのか教えてほしい」
「ことみさんの方が健康的で私は」