夫婦の始まりは一夜の過ちから。

「マネージャー、悪いけど説教はあとにして？」

「イチ？」

「後からならどんだけでも聞くから。行くよ夏芽ちゃん」





グッと一段と私の腰に回す手に力を込めたアイドル。





「いいの…？」

「うん。俺は今から仕事よりも大事な事があるから」





仕事よりも大事な事ってなんだろう？





「気になる？でもそれはまたあとでね。とりあえずタクシー乗るよ」





近くの停車中タクシーに引っ張られるように乗るとアイドルは行き先を告げた。


運転手がアイドルだと気付いたのか、アクセルを踏まずジーっとアイドルを見つめたけど…





「出発して下さい」





そうアイドルに言われるとすぐにタクシーは動き始めた――…