夫婦の始まりは一夜の過ちから。
「無理無理。今アパートに居ないし来ても意味ないよ」
『じゃあ、どこに居るって言うのよ。まさか結婚相手の家?』
ギクッとしながら違うよと受話器に向かって言ったけど…
『嘘おっしゃい。で、どの辺りに家があるの?』
「……」
『夏芽?答えないと明日会社まで行くよ』
「みっ、港区の」
久がお母さんに伝えなかったらこんな事にならなかったのに…
久のバカ!
「いきなり叫んでどうしたの?って夏芽ちゃんも電話中だったんだね」
キッチンからひょっこり顔をだしたアイドルがそう言う。
そんなに私大声出してたんだ…
「ごめんね」
「誰から?」
「えっとお母さんから。なんか色々知ったみたいで」