夫婦の始まりは一夜の過ちから。
お母さんには聞こえないように電話口を押さえて、電話の状況を軽く伝える。
久から私が結婚相手がいると教えれ急いで電話してきたと簡単に。
「それでお母さんが…」
「ちょっと電話かわってくれる?」
なんて言いながら携帯渡して?と掌を広げたアイドルの予想外の行動に、思わず狼狽える私に微笑みを見せてから…
「俺が出た方がいいと思うし、ちゃんとした相手だって思われたいし」
「そうかな?」
「そうだよ。いつか夏芽ちゃんのご両親に会う時の為にも、ここは好印象を得てたいから俺が説明するよ」
そこまで言われたら…
「お母さん?ちょっと代わるね」
私はおずおずと携帯をアイドルに差し出した――…