夫婦の始まりは一夜の過ちから。
雰囲気に流されちゃった私も悪いとは思うけどさ、場所を考えてほしかった。
区役所駐車場に停めた車内であんな事をするなんて変態だよ。
「俺は夏芽ちゃんがイヤがる事は絶対にしないし、夏芽ちゃんが求めてくれる事しかしない」
「でもさぁ」
「でもじゃないよ。さっきの場所がたまたま駐車場だっただけで、もしソコが家だったら夏芽ちゃんは最後まで委ねたはず。でしょ?」
うぅと唸りながらシートベルトをぎゅっと握る。
「で、これからどうする?」
「どうしよう。アイドル的はに?」
「俺が行きたいのは一つだけど。そこに行っちゃっていい?」
そうニヤリと笑った壱の行きたい所は何となく想像できて、ハァと溜め息を吐いた。
そういう意味で聞いたわけじゃないのにな…