夫婦の始まりは一夜の過ちから。



「今は働きたい」

「うん」

「あのね、私の先輩が寿退社していくつか仕事を受け継ぐ事になったの。だからその仕事をちゃんとしたいし」





壱の胸に手を当てながら私はまた口を開く。





「それに会社は人手も足りないと思うから今は辞められない」

「そっか」

「でも、いつか…。いつか良いタイミングを見つけた時に会社を退社して専業主婦になりたいな」





それが私の気持ちであり壱から聞かれた事の答え。





「この前さ、仕事によっては移動中しか寝られない事もあるって言ってたでしょ?ご飯も食べれない時があるって」





壱の仕事は私と違って朝出勤の夜帰宅ではない。


だからそんな壱を出来るだけサポートし、出来るだけ一緒に居られるように私は専業主婦になりたい。



< 326 / 537 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop