夫婦の始まりは一夜の過ちから。
「でもね、そう言っても何だかんだ言っても私の為にしたいんだけど」
「夏芽ちゃんの?」
「退社するのも専業主婦になるのも全部私自身の為」
だから壱は変な事を考えなくていいんだよ?
これは私がしたいようにする為になんだから。
「夏芽ちゃん、ありがとう」
「だから私の為だって…」
「そうだったね。でもありがとうを言いたいんだ」
そう言った壱は腕枕をしてる腕にぐっと力を入れ、私の頭をより自分に近付けるようにした。
「眠たいなら寝ていいよ」
「うん…」
「明日も明後日も一緒だから、ね」
そうだね。
壱とずっと居られるから明日また話し合えばいいんだよね。
これからをいっぱいに――…