夫婦の始まりは一夜の過ちから。



壱が結婚しましたという事務所の発表が出来ないのは沢山の理由から。


その中で一番大きい原因はスポンサー問題だと、壱が所属する芸能事務所の偉い人に教えてもらった。


それを承知した上で私と壱は入籍したんだよね。





「壱はそう思っても私はいい」

「夏芽ちゃん」

「仕事先ではまだ中谷夏芽のままだけど、病院に行けば加地夏芽って呼ばれるし。なんて言ったって壱が私のそばにいる」





それだけで充分なんだよ、と言おうとする前に壱は立ち上がり私をぎゅっと抱き締めた。





「私はもう壱の物」

「うん」

「誰がなんと言おうと壱の物であるから大丈夫。それまでは堂々と出来ないかもしれないけど…」





家ではいっぱいいーっぱい夫婦としてラブラブしようね――…






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