夫婦の始まりは一夜の過ちから。



「それは秘密」

『ちょっとなんでよ!』

「寛子聞いたらきっと泣いちゃうかもよ」





携帯の向こうで顔を赧らめさせている寛子の姿が目に浮かぶ。


そんな姿を見て隆次さんは微笑んでいるんだろうな。





『でもお互い様でしょ』

「えっ」

『悩んで電話したって事は。夏芽がそんなにも旦那が好きって事でしょ!』





確かに寛子の言葉は当たってる。


好きだから初めて渡すプレゼントにいっぱい悩んできたんだもん。





「うん」

『それ夏芽の旦那が聞いたら泣いて喜ぶね。パパから聞いた話しも夏芽から聞く話しも旦那から溺愛されてるみたいだし』





溺愛かぁ。


それにも素直にうんと答えれば寛子からは笑い声が返ってきた――…







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