夫婦の始まりは一夜の過ちから。
喫茶店から帰ったらすぐに仕事に取り掛からなきゃいけなくて、今言えないならあとでと思っていた終業後も鴨島さんすぐに帰っちゃって言えなかった。
「ことみと鴨島さん。この二人には伝えておきたいと思ってて…」
「明日言えると良いね」
うん。
ことみに打ち明けられる時間を作ってくれた鴨島さん。
鴨島さんとは仲良くなってから時間はそんなに経っていないけど信用しているし、これから先もずっと仲良くしていきたいと思ってるから…
「壱は緊張しなかった?誰かに言った時」
「緊張したよ」
「だよね」
「夏芽ちゃんの写真見せて惚れられたらどうしようって思うとすっごく緊張してしまうよ」
いやいや、私の写真を見て惚れるなんてこと想像しなくてもいいんじゃない?