夫婦の始まりは一夜の過ちから。
――えっ。
壱が私と別れると言った?
ま、まさか。
あの壱がそんな事を言うはずなんてないよ。
「信じてない様子ね」
「は、い」
「別にここであなたが信じなくても構わないわ。事務所に行けば証拠だってあるもの」
信じたくない。
だけど、マネージャーさんに証拠があると言われた以上。
本当かもしれないと思う気持ちも出てくるわけで。
「それだけ聞かせてもらえるかしら」
「……」
「あなたの意見を」
私の意見は…
「私はマネージャーさんの言った言葉は信じたくないです。でも万が一それが本当だったとしたら」
「たら?」
「最悪の状況に陥った場合私は――…」