夫婦の始まりは一夜の過ちから。



「良かった。今日はちゃんと出来てる」





やればできる子じゃん!とコピー機を撫でていると、今まで調子が良かったはずなのに、ガタンと音をたてて動かなくなってしまった。


ちょ、ちょっとちょっと今までちゃんと出来ていたじゃん!





「も〜、さっきまで調子良かったのに。もしかして私が褒めて撫でたから怒ったの!?」





なんて言ってもコピー機が返事をしてくれるわけがなくて。





「も〜、早く動いてください。コピーが終わったら自分の仕事しなくちゃいけないのに」





今、周りに誰も居なくて良かったと心から思う。


ブツブツとコピー機に向かって話してるところを見られたら絶対に変な人だと思われるはずで、見た方も見られた私も気まずいくらいに恥ずかしくなるだろう。



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