夫婦の始まりは一夜の過ちから。



「なんでそんなに私のこと嫌いなの?大体ねぇ、私のこと馬鹿にしてるでしょ!」





お願いだから動いてよー!





「そりゃ馬鹿にしたい気持ちも分かるけどさ。こんな私を好きだって言ってくれる人も居るんだよ。その人に失礼だと思わないの?いい子にしてたら今度紹介してあげるから、ね!壱って言うんだけどすっごくかっこよくてビックリすると――」





私が捲し立ててると、ガタンと音をたててからちっとも動かなくなってしまったコピー機が突然動き始めた。


それはもう順調に。


もしかして、もしかしなくてもこのコピー機って面食い?


私がかっこよくてビックリすると言った途端に動き始めたし、だから女の私とは相性が悪いのかな。


それにしても、このコピー機にも好かれてしまう壱って一体――…






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