夫婦の始まりは一夜の過ちから。
病院から出ると本当に大勢の人が待ち受けていて、あちらこちらでフラッシュが。
あまりの眩しさに視線を落としたくなるけどまっすぐ前を向いたまま。
「イチさん!」
「その方は誰なんですか?」
私の存在に気付き騒然とする周囲。
「イチさん答えてください!」
「隣にいる女性は一体誰なんですか!?」
こんな緊張するのは、こんなに注目を浴びるのはうまれて初めて。
そんな状態でも大丈夫と安心しているのは側に壱がいるからだろう。
「手を握っていますがお付き合いしている方ですか?」
「病状を詳しく教えてください」
「捕まった犯人に伝えたい事は?」
車まで数メートルの所で、壱は足をとめた。