青い蝶々

「まずは、俺の秘密からだ」


と言ったかと思うと…椅子から立ち上がった。


そして私は、次の出来事を喰い入るように見つめた。


神保 蓮がオオカミの姿に変わったからだ…。


今日見た夢のように、真っ黒なオオカミで蒼瞳をしている。


「驚いたか?」


オオカミがそう聞いてきたが、私は答えられないままジッとその光景を見つめていた。



「鈴音?
俺は昔から代々続く人狼だ」


その声色からは懐かしいような感じがした。


「そしてお前は……
昔から代々続く人狼の血を引く物だ」



あぁ、思い出した。

蓮は私の婚約者だったんだ……。



そう思いながら、私は深い闇の中に吸い込まれた。
< 8 / 30 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop