結婚してください。パンツ見せてください。

彼女は東藤と結ばれたようです。



「……まじ意味わからん」


隣のベッドでブツブツ言う声が聞こえる。蓮華だ。


「うるさいぞ負け犬」


「誰が負け犬だ死ね」





どうやら勝負の結果が気に食わないらしい。かわいそうに。













結果はもちろん、俺の勝ちだ。

有栖川が言うには、




『どんな時でも、食べ物を食べ終わったらごちそうさまでしたって言うのが常識です。挨拶は人間の基本ですから』


らしい。


それに納得したらしく、誰も異議を唱える者はいなかったようだ。


一人を除いては。




「食べ終わったのは俺が先だぜ!せめて引き分けにしろよ!」


ぎゃあぎゃあ騒ぐ蓮華を放っておき、俺はベッドから体を起こした。





俺達は今、保健室にいる。


救急車はさすがに呼べず、とりあえず保健室で様子を伺ったみたいだ。


別に、これと言って具合も悪くない。



どうやら強力な睡眠薬で、入っていたのは少量のようだ。

うん、よかった。



いや、よくないがな。




「進が親に連絡をしてくれた。今日は進の家に泊まらせてもらうぞ」


「は? なんで俺まで」


「お前の家、遠いだろ? 俺もだ。進の家は近いし、もう外も暗いからな」






かなり寝ていたらしく、時計を見るかぎり六時はすぎていた。








「……やだ」


突然、蓮華が大人しくなる。



「やだって、進の家に行くのがか? 失礼だろ」


「お前、忘れたのかよ。勝負が始まる前に、加藤が言った言葉」










あ。





























『これが終わったら、表に出ろ』
















忘れてた。
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