妖将棋 <十二神獣と朱眼狼>
西劉山からの使者


 ピピピピッ ピピピピッ…


 午前6時の目覚ましが鳴り響く。
 布団からモゾモゾと白く細い腕が伸び、牛の目覚まし時計の頭を叩く。

「もう起きる時間かよ…。ったく、まだ肌寒いな…」

 俯せのまま愚痴をこぼし、少し寝癖のついた髪をかく。
 仰向けになり、思い切り背伸びして起き上がった。

「くあ~…」

 大きなあくびをし、ベッドから下りる。


 バンッ!


「おきんかこのバカ孫~っ!!」

 景気良く部屋のドアを叩き開けたのは、朝からやたら元気なじいさん。
 しかもなぜか両手には鞭とロウソク。


 げしっ。


「ぶふぉっ!」

 来ることを見越してか、じいさんの顔に足蹴りを食らわした。
 じいさんはポテッと床に落ちる。

「ったく。朝っぱらから何してんだよ」

 腕を組み、仁王立ちでじいさんに文句を言うと、素早くじいさんは正座。

 
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