妖将棋 <十二神獣と朱眼狼>


 「座れ~。噂の転校生だぞ~」

 教室はざわめきだっていた。

 転校してきたのは男子。

 雪のように白い肌。色素の薄い茶色の髪。

 女子と見間違えるほどの可愛さに、男子達は心で涙を流した。

 女子達は赤面して小さく叫んでいる。

 黒板に名前を書いてやり、生徒達は更にどよめいた。

「若柳 氷牙です。よろしく」

『若柳~?!』

 ほぼ全員が叫ぶと、担任の若柳は腰に手を当てて話した。

「実は俺の弟なんだ。小さいころから病弱でな、根はおとなしい奴だから、いじめんじゃねえぞ?」

 驚きの叫び声があがり、似てないとか何とかかんとかと叫びまくる生徒達。

「ケンカ売ってんのかお前ら?」

 目じりを引くつかせながらいうと、強く咳払いを一つ。

「とにかくだ! 本堂!」

「へ?」

「お前、こいつの面倒見てやってくれ」

「なんで俺?」

「お前と一緒ならジャニングに見えるからだ」

 テレビで大人気のイケメンアイドルの名前を言われ、女子達はまた叫びながらハート乱舞。


 
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