妖将棋 <十二神獣と朱眼狼>
急に目の前で口論となり、氷牙は戸惑った。
「こら二人とも。氷牙君困ってるじゃない。ちょっとは気を使いなさいよ」
二人は緋音の言葉に従い、謝りながら弁当を食べだした。
「おや。気が合いますね? こんなところで昼食ですか?」
聞きなれた声の主は、維鳴。
緋音と龍二は多少の警戒の糸を張り巡らせたが、遥は気にせず声を返した。
「何か用か?」
「いえ。毛色の違った方と一緒にいるとは思わなくて。ご一緒しても?」
「いいよ」
遥がすんなり答えると、龍二は軽く肘打ちをしてきた。
視線で{普通にしてろ}と言われ、おとなしくそれに従った。
「そういえば、そろそろ体育祭よね。遥何出る? あたし実行委員だから」
牛乳を飲みながら聞くと、遥は目をそらせながら悩んだ。
「いろんな部活のリレーとか頼まれてるからなあ…」
「じゃあ生徒会のリレーの選手として出しておくよ。だったら他の部活の選手として出なくてもいいじゃないのかな?」
ジト目で維鳴を見上げると、周りでたむろっていた他の部活動の生徒たちがわらわらとやってきた。
いきなりもみくちゃにされ、四人は迷惑そうな、困ったような、そんな顔で弁当を食べ終えた。
(ったく。何しに来たんだこいつは…)
遥は眉間皺を寄せて維鳴を見上げた。