★時の架け橋★ ー誠の背中に恋をした。
美鈴は小さい頃、夫の浮気で精神が不安定だった母親に無理心中をされそうになった




…母親が美鈴の首を絞めようとしたのだ。





『あんたなんか死んでよ。死んでよ美鈴』
と表した目で憎悪が煮えたぎったあの目で美鈴の首を…
まだ小さい子供の首を絞め続けた。




小さい頃の美鈴は何が起こったのかよく分からず泣きわめいて泣きわめいてあの目をみた途端、




あぁ…私の大好きな優しいお母さんは自分を殺そうとしてるんだ…

そう悟った。




諦めかけていた時、隣に住んでいたおばさんに間一髪のところで助けられ、母親は精神科の病院におくられ、美鈴は義理の母と父に引き取られた…


実の母親に殺されそうになったという紛れもない事実に美鈴の心は殆ど閉ざされていた。




義理の母と父に馴染めなかった美鈴でも義理の兄にはすぐ馴染めた。

泣いているときは慰めてくれ、間違ったことをすればちゃんと叱ってくれる






…とても優しい兄だった。




美鈴はそんな兄が大好きだった。



美鈴はそんな兄に心を開かれつつあった。



兄も可愛いい妹が好きだった。







…違う意味で。


兄はいつの間にか妹に恋心を抱いていた。
何時しかそれは恋心という薄っぺらい物ではなく愛情に変わっていた。
美鈴がだんだん他の人にも心を開き始めた。

そんな妹に彼氏が出来たとたん兄弟ではしないような激しい束縛をするようになった。


こんなに激しい束縛をしていても美鈴は彼氏の亮とは別れなかった…


亮の事を本当に愛していたから…




いつまでたっても別れない美鈴に兄はしだいに抑えられないほどの苛立ちをかかえていた。
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