青春と幼なじみ
「南、どこまで行っちゃったんだろ…」
「この広い中探すの大変だし、電話してみる?」
「そうだね…」
葉月に言われて、南にケータイで電話してみることにした。
「……。
ダメ。
南出ないよ…」
「う〜ん、参ったな〜」
ケータイを握って落ち込みながら何気なくチラッと向こうの方を見てみた。
「…あ。
見つけた…」
「え…?」
そこにはちょうどお化け屋敷の入り口の前で止まって、看板を見上げている南がいた。
「あんなとこで何してるんだろ…?」
「さぁー?
とりあえず行こう」
「うん」
葉月と駆け足で南のとこへ向かった。
「南ー!」
「…葉月…」
「南!」
「…葵もいたのか…」
「どうしたの、こんなとこでボーとして…」
「いや、別に何でもねぇよ」
寂しそうな表情をしていた南はムリに笑った。
「南…」
心配になってそっと腕に触れようとした時
「なぁ、次ここに入ろうぜ!」
さっきの表情とはコロっと変わって満面の笑顔になって指をさした。
でもここって…。
「お化け屋敷…」