青春と幼なじみ
南に触られると何故かドキドキしてしまうことも全部話した。
それを話終えると、葉月は切ない顔をした。
「葵…、気づいてはないんだね」
「何に?」
「いや。
まだ気づいてないならそれでいい。
…どっちかって言うと、気づいて欲しくない…」
「え?」
最後の方はゴニョゴニョと、よく聞き取れなかった。
「まぁ早く言えば、そんな深く考え混まずに、いつも通りにしてればいいんじゃないか?」
「いつも通り…」
できるかな…。
「あっ、南が来たみたいだ」
手を振る葉月を見て振り返ると、気のせいか、ほんのり頬が赤くなっている南がいた。
―『いつも通りにしてればいいんじゃないか?』―
うん、大丈夫。
いつも通り、いつも通り…。
そう言い聞かせて私も南の側へかけよった。