青春と幼なじみ



「じゃー、葵のこと頼んだぞ」




「あぁ」




放課後、言った通りに南は帰る支度をしていた。




「…琉衣、帰るぞ」




「え?
あ、うん…」




琉衣も状況はよくわかってないみたいだけど、空気を読んで南と一緒に帰った。



後は先生に呼ばれた葵が帰ってくるのを待つだけか…。















……。




長くないか?




あれから20分も立つぞ?




いったいなんの話をしてるのやら…。




ガラッ




「ごめん、遅くなった!
…って、あれ?」




伸びをしようと腕を上げた時、息をあらげた葵ちょうど帰ってきた。




「あれ、二人は?」




息を整えながら聞いてくる。




「先に帰ったよ」




「え、ウソ!?
来るの遅すぎたかな〜」




「何話してたの?」




「先生のくだらない話。
ずっと愚痴聞いてた。
どうせ他に聞いてくれる人いないんだろうね」




「そっか、おつかれ」




「うん。
葉月、待ってくれててありがとう。
じゃ、私たちも帰ろっか」



「…いや、まだ帰れない。
俺、葵に聞きたいことがあるから二人を先に帰らせたんだ」




「聞きたいこと?」




カバンを持とうとしていた葵の手が止まる。




「何?」




にっこりして聞く葵。




「あのさ、直球に聞くよ?」




「うん」





「葵、南のこと……














好きだよね?」












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