青春と幼なじみ



【葉月】




琉衣が転校して来て一週間。




だいぶ慣れてきたようだ。



ただ…。




……最近なんかおかしい。



いや、俺も最近胸のあたりがムズムズして何かおかしいんだけど、一番おかしいのは葵だ。





「おーい、葵」




「…!!
る、琉衣ちゃん、私ちょっと用事があるから南に言っといて!」




「あ、あおちゃん?」




「おい、葵ー!」




…逃げた。




そう、最近の葵は南から何故か距離をとっている。




海の時、南に触られるとドキドキするって言ってた…。




もしかして、自分の気持ちに気づいたんだろうか?




「葉月ー、最近の葵なんか変じゃね?」




「…まぁな」




「何かあったか?」




「わからない。
けど、今日葵に聞いてみようと思う」




「そうか。
だったら俺も…」




「いや、南は来ない方がいいかもしれない」




「何で…」




「葵がまた逃げるからだ」



「……ちっ、わかったよ」



「今日放課後聞いてみる。
南は琉衣と先に帰ってて」



「は?
何で、待ってるよ」




「…いいから帰れ。
葵のためだと思って」




「はぁ?
意味わかんね…」




ぶつぶつと呟き、くしゃくしゃと頭をかいてから南は席に着いた。




さて…何から聞くべきか…。









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