青春と幼なじみ
―次の日―
「…何してんだ?葵」
「あ、南!」
文化祭の出し物の準備をしているところに、南がやって来た。
今日から数時間、授業の変わりに文化祭の準備が入ることになった。
「文化祭で使う物を準備してるの」
各自分担していろいろ準備をしている。
教室は、結構賑やかだった。
「文化祭?」
きょとんとした顔をする。
あ、そっか。
南、昨日5・6時間目サボッてたから知らないんだ。
私も琉衣も葉月も、昨日の帰り文化祭の話しなかったし…。
「で、何すんの?」
「えっと、メイドと執事喫茶」
「2つ?」
「うん。
合体させてやるんだって」
「ふーん」
軽く返事をした南は、私が用意していた物を見ていった。
まぁ、男女逆転でするのは黙っとこう。
言ったら絶対南やらないって言い出すだろうし…。
いや、強制的に葉月がやらすかもだけど…。
「なぁ、食器とかはどうすんだ?」
ムンムンと考えていたところに、南に話しかけられる。
「あ、食器は家庭科室から借りてくる予定。
でも他のクラスも使うかもしれないから、足りない分は各自で持ってくるようになるかな…?」
「へー、いろいろ大変なんだな」
「うん、まぁね」
そんな事を話していると、大きい段ボール箱を運んで来る葉月と、小さい段ボール箱を運んで来る琉衣の姿があった。
「葉月、何だ?
そのでかい段ボール箱」
「よっと。
これは要らない服とか布が入ってるんだよ」
大きい段ボールを床に置いて答える葉月。
中を覗くと、いろいろな柄と種類の布がたくさん入っていた。
「わ〜、すごいね!」
「これで、喫茶店の服でも作ろうかなって」
「葉月が作るの?」
「いや、まぁ大体は…。
でも1人じゃさすがにクラスの人数分作るのは骨がかかるからな。
誰かにも手伝ってもらうよ」
「そっか」
葉月は裁縫も得意からなぁ。
ホント、いいお嫁さんになれそう…。
「で、琉衣が持ってるのは?」
「私のは、コサージュとか、リボンとか入ってるんだよ」
「服につけるの?」
「うん。
その方が可愛いかなって!」
「そうだね」
本格的だ。
これは出来上がるのが楽しみかも。