御劔 光の風2
翌日、夜が明ける前に城を出発したカルサ達は界の扉の間に来ていた。

ここは世界の全てを集約した場所。

見渡す限り扉があり、それはきれいに等間隔で並んでいる。

どれも全て同じ大きさ、同じ色、同じ形で寸分違わない。

「凄い…扉がいっぱいある…。」

上を見ても下を見ても、横を見ても前を見ても、後ろを見ても扉があった。

まるで自分達がこの扉たちの中心にいるような錯覚さえ起こる。

扉には、おそらく国の名前であろう文字が書かれていた。

「私たちもさっき扉から出てきたんですよね?」

呆然と立つ尽くしてリュナはカルサに問いかけた。

「ああ。今から向かうのも、総本山の扉だ。ここに来たことはなかったのか?」

「はい。初めてです。」

ゆっくり頷いた後、リュナはキョロキョロと辺りを見回した。

「誰もいないんですね。」

「まぁ、ここを知っている者がそんなにいないからな。…どうした?」

話の途中、カルサは何かにひっぱられた感じがして振り返った。


< 79 / 452 >

この作品をシェア

pagetop