あの子の隣に座るコツ!
「“普通”とか言って、意外に女っ気あるのな…大吾」


怪訝そうな顔で、進が言った。意外って。トゲのあるセリフだな。


「言ってるだろ。アリサはノーカウントだ」



「東條さんは?彼女はカウントでしょ、さすがに」



啓一がにこりと笑って俺の手牌をちょんちょんと指差す。促されて牌を捨てる。さァ、追い上げるぞ。



「え!あの美少女と大吾が?どうして!」


進が納得いかなそうに声をあげる。いちいちうるさいヤツ。


ユウ先輩もちらっと俺の顔を見て、にやりと笑った。


「…俺だって何がどうしてこうなったんだか、さっぱりだよ」



イヤ、どうしてこうなったかと言えば、俺の遅刻が原因なのかも。



反省文を出しに行かなければ、石川のヤロウのセクハラに出会うことはなかったはずだしな。



「あの子のために一肌脱いでるみたいですよ、大吾」


啓一が楽しそうにユウ先輩に報告する。


「ほう」


興味深げに俺の顔を見るユウ先輩。


「お前な。完全に面白がってるだろ、啓一」


「まさか。立派だと思うよ。東條さんのために昼休みと放課後は潰すし、“秀才席”も狙ってるんでしょ」


「はァ!?大吾が?秀才席ィ?」



ムカつくくらい大げさに、進が叫んだ。



「大吾先輩が“秀才席”?はははっ!何かのネタッスか?」


「うー、確かにイメージは湧きませんねぇ?全く」



1年生コンビもしっかりと失礼なリアクションを返してくる。

一応言っとくが先輩だぞ?こっちは。



啓一は相変わらずにこにこと薄笑いを浮かべ、俺を眺めている。


“アレっ、僕、何か変なコト言った?”的な顔してんじゃねぇ!


「お前が詳細を省略するから、俺がただの夢みがちなバカ野郎に見られてるんだろうが!」


「あぁ…ゴメンゴメン」


自信があるぞ、こいつ絶対悪いと思ってない。


「なに?なに?じゃあ詳細も含めて教えて下さいよ」


興味津々という顔で、直紀が啓一に尋ねた。



「えー?いちから説明するのはちょっと面倒」


「じゃあ最初からいらんことを言うんじゃない!」

これは俺のツッコミだ。



つかみ所のないヤツってのはこう言うヤツのことをいうのかな。


何で俺の周りにはこう変わったヤツばかり集まるんだろう?


あ、コラ。今“類は友を呼ぶ”とか思ったろ?余計なお世話だよ。
< 50 / 147 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop